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過去を表す แล้ว・ได้・เคย

第3部 ・ 第21章

前章で、タイ語には過去形がないことを確認しました。ではタイ人は過去のことをどう話しているのか。答えは「過去だから何かを足す」のではなく、言いたい中身に応じて別々の語を選んでいるのです。この章では、日本語に訳すと同じ「〜した」になる3つの語を、中身から区別して身につけます。

この章のゴールแล้วlɛ́ɛo (レーオ)・ได้dâai (ダーイ)・เคยkhəəi (クーイ) を意味の違いで使い分けられる。แล้วหรือยังlɛ́ɛo rɯ̌ ɯ-yang で完了を尋ね、ยังyang で答えられる。

21-1「〜した」は1つではない

次の日本語を見てください。すべて「食べた」で終わっていますが、言っている中身は違います。

「食べた」の中身を分解する

日本語はこの4つを全部「〜た」で表せてしまいます。だから私たちは、これらが別物だという意識を持ちません。タイ語はここを区別します。タイ語のほうが細かいのです。

中身タイ語位置
完了แล้ว文末กินแล้ว
過去の事実ได้動詞の前ได้กิน
経験เคย動詞の前เคยกิน
直後เพิ่ง動詞の前เพิ่งกิน

そして忘れてはならないのが、どれも使わないという選択肢です。前章で見たとおり、時の語だけで済ませるのがタイ語ではいちばんふつうです。

mɯ̂ a-waanเมื่อวาน
phǒmผม
kinกิน
aa-hǎanอาหาร
thaiไทย
昨日、私はタイ料理を食べました。
標識は何もない。時の語だけで十分。これが基本形。

21-2แล้ว ── 完了「もう〜した」

แล้วlɛ́ɛo文末に置き、「その動作はもう済んでいる」ことを表します。日本語の「もう〜した」「〜してしまっ

た」に当たります。

主語動詞目的語แล้ว

完了

แล้ว は文の最後。丁寧語尾 ครับค่ะ よりは前。

phǒmผม
kinกิน
khâaoข้าว
lɛ́ɛoแล้ว
khrápครับ
私はもう食事をしました。
khǎoเขา
klàpกลับ
bâanบ้าน
lɛ́ɛoแล้ว
彼はもう帰宅しました。
prà-chumประชุม
sètเสร็จ
lɛ́ɛoแล้ว
会議はもう終わりました。

แล้ว は過去そのものではない

ここが最大の注意点です。แล้วlɛ́ɛo が表すのは完了であって、過去ではありません。だから未来の話にも使えます。

ìikอีก
hâaห้า
naa-thiiนาที
kɔ̂ɔก็
thɯ̌ ngถึง
lɛ́ɛoแล้ว
あと5分で着きます。
まだ着いていない。しかし「着いた状態になる」ことを完了として捉えている。
phrûng-níiพรุ่งนี
tɔɔn-yenตอนเย็น
ngaanงาน
kɔ̂ɔก็
sètเสร็จ
lɛ́ɛoแล้ว
明日の夕方には仕事は終わっています。

逆に、過去の出来事でも完了として捉えていなければ แล้วlɛ́ɛo は付きません。

mɯ̂ aเมื่อ
dèkเด็ก
phǒmผม
yùuอยู่
yîi-pùnญี่ปุ่น
lɛ́ɛoแล้ว
子どものころ、私は日本にいました。
tɔɔnตอน
dèkเด็ก
phǒmผม
yùuอยู่
yîi-pùnญี่ปุ่น
子どものころ、私は日本にいました。

状態の変化を表す แล้ว

形容詞(状態動詞、第16章)に แล้วlɛ́ɛo が付くと、その状態に変わったことを表します。日本語の「〜くなった」に当たります。この用法は会話で非常によく出ます。

phǒmผม
ìmอิ่ม
lɛ́ɛoแล้ว
khrápครับ
お腹いっぱいになりました。(もう結構です)
phǒmผม
khâo-jaiเข้าใจ
lɛ́ɛoแล้ว
khrápครับ
わかりました。
「わからない状態」から「わかる状態」への変化。
lûukลูก
khǎoเขา
tooโต
lɛ́ɛoแล้ว
彼の子どもはもう大きくなりました。

แล้ว のもうひとつの顔 ──「そして」

แล้วlɛ́ɛo は文と文をつなぐ「そして・それから」としても使われます。文中に現れたら完了ではありません。

phǒmผม
kinกิน
khâaoข้าว
lɛ́ɛoแล้ว
paiไป
tham-ngaanทำงาน

私はごはんを食べてから仕事に行きます。

この lɛ́ɛo は「それから」。文末ではなく中間にある。

見分け方は位置です。文の最後にあれば完了、後ろにまだ動詞が続いていれば接続。会話では แล้วก็lɛ́ɛo-kɔ̂ɔ の形も多用されます(第37章)。

21-3…แล้วหรือยัง と ยัง ── 完了を尋ねる・答える

「もう〜しましたか」と聞くときは、文末に หรือยังrɯ̌ ɯ-yang を付けます。第17章で学んだ形です。会話では

รึยังrɯ́ -yang と縮まります。

動詞แล้วหรือยังแล้วยัง
もう〜?済んだまだ

答えは2択。「はい・いいえ」ではなく แล้ว ยัง で答える。

khunคุณ
kinกิน
khâaoข้าว
lɛ́ɛoแล้ว
rɯ̌ ɯ-yangหรือยัง
khrápครับ
もう食事をしましたか。
kinกิน
lɛ́ɛoแล้ว
khrápครับ
はい、食べました。
yangยัง
khrápครับ
phǒmผม
yangยัง
mâi-dâaiไม่ได้
kinกิน
khrápครับ
まだです。まだ食べていません。
phǒmผม
mâiไม่
kinกิน
lɛ́ɛoแล้ว
まだ食べていません。
raai-ngaanรายงาน
sètเสร็จ
lɛ́ɛoแล้ว
rɯ̌ ɯ-yangหรือยัง
khrápครับ
報告書はもうできましたか。
yangยัง
khrápครับ
tɛ̀ɛแต่
phrûng-níiพรุ่งนี
sètเสร็จ
nɛ̂ɛแน่
khrápครับ
まだです。でも明日には必ずできます。

21-4ได้ ── 過去の事実を確認する

ได้dâai動詞の前に置くと、「実際にその出来事があった」という事実を確認・報告する言い方になります。

phǒmผม
dâaiได้
sòngส่ง
ii-meenอีเมล
paiไป
lɛ́ɛoแล้ว
khrápครับ
メールは(確かに)お送りしました。
raoเรา
dâaiได้
khuiคุย
kàpกับ
lûuk-kháaลูกค้า
mɯ̂ a-waanเมื่อวาน
私たちは昨日、顧客と話しました。

ただし、肯定文の ได้dâaiやや改まった響きがあります。日常会話でいちいち付ける語ではありません。ビジネスメール、報告、ニュース、契約書などの書きことば寄りの場面で活躍します。ふだんの会話では、前節までの形(時の語や

แล้วlɛ́ɛo )で十分です。

mɯ̂ a-waanเมื่อวาน
phǒmผม
dâaiได้
kinกิน
kǔai-tǐaoก๋วยเตี๋ยว
昨日、私はクイティアオを食べました。

ไม่ได้+動詞 ──「〜しなかった」

一方、否定側の ไม่ได้mâi-dâai (マイダーイ) は日常会話で必須です。第15章で学んだとおり、事実そのものを否定します。肯定の ได้dâai は省略できても、否定の ไม่ได้mâi-dâai は省略できません。

肯定否定意味
ไปไม่ไป行く/行かない(意志・習慣)
ได้ไปไม่ได้ไป行った/行かなかった(事実)
ไปแล้วยังไม่ได้ไปもう行った/まだ行っていない
mɯ̂ a-waanเมื่อวาน
phǒmผม
mâi-dâaiไม่ได้
paiไป
prà-chumประชุม
昨日、私は会議に行きませんでした。
phǒmผม
mâi-dâaiไม่ได้
phûutพูด
yàangอย่าง
nánนั้น
khrápครับ
私はそんなことは言っていません。

ได้ の位置で意味が正反対になる

ได้dâai は動詞の後ろで、まったく別の意味になります。ここは絶対に混同してはいけません。

語順発音意味
ได้ + 動詞dâai pai行った(過去の事実)
動詞 + ได้pai dâai行ける(可能)
ไม่ได้ + 動詞mâi-dâai pai行かなかった
動詞 + ไม่ได้pai mâi-dâai行けない

後ろに置く「できる」の用法は第25章の主題です。ここでは「前は時、後ろは能力」とだけ覚えておいてください。

mɯ̂ a-waanเมื่อวาน
phǒmผม
paiไป
mâi-dâaiไม่ได้
khrápครับ
昨日は行けませんでした。
「行けなかった」=不可能。時の語が過去を担っている。

21-5เคย ── 経験「〜したことがある」

เคยkhəəi動詞の前に置き、「これまでに一度でもその経験がある」ことを表します。いつのことかは問題にしま

せん。

主語เคย動詞目的語

経験

否定は ไม่เคย で、疑問は文末に ไหม を足す。

phǒmผม
khəəiเคย
paiไป
chiang-màiเชียงใหม่
私はチェンマイへ行ったことがあります。
khunคุณ
khəəiเคย
kinกิน
thú-rianทุเรียน
mǎiไหม
khrápครับ
ドリアンを食べたことがありますか。
khəəiเคย
khrápครับ
はい、あります。
動詞を繰り返さず、標識だけで答えられる。
mâi-khəəiไม่เคย
khrápครับ
いいえ、ありません。

「一度も〜ない」と強調するときは、文末に เลยləəi を足します。

phǒmผม
mâi-khəəiไม่เคย
kinกิน
plaaปลา
dìpดิบ
ləəiเลย
私は生魚を一度も食べたことがありません。

回数を言うときは ครั้งkhráng(回)を使います。

phǒmผม
khəəiเคย
paiไป
phuu-kètภูเก็ต
sɔ̌ɔngสอง
khrángครั้ง
私はプーケットに2回行ったことがあります。

เคย は「以前は〜だった」にもなる

เคยkhəəi は、繰り返しあった習慣を振り返るときにも使います。日本語の「以前は〜していた」です。เมื่อก่อนmɯ̂ a-kɔ̀ɔn

組むと自然になります。

mɯ̂ a-kɔ̀ɔnเมื่อก่อน
phǒmผม
khəəiเคย
tham-ngaanทำงาน
thîiที่
krung-thêepกรุงเทพฯ

以前、私はバンコクで働いていました。

この場合「今はもう働いていない」という含みが出ます。今も続いているなら เคยkhəəi は使えません。日本語の「〜たことがある」と同じ制約です。

phǒmผม
khəəiเคย
tham-ngaanทำงาน
thîiที่
nîiนี่
tâng-tɛ̀ɛตั้งแต่
piiปี
thîi-lɛ́ɛoที่แล้ว
私は去年からここで働いています。

21-6เพิ่ง ──「〜したばかり」

เพิ่งphə̂ng は動詞の前に置き、「ついさっき〜したところだ」を表します。เพิ่งจะphə̂ng-jà の形もあり、意味はほぼ

同じです。

phǒmผม
phə̂ngเพิ่ง
maaมา
thɯ̌ ngถึง
khrápครับ
今着いたばかりです。
khǎoเขา
phə̂ngเพิ่ง
ɔ̀ɔkออก
paiไป
mɯ̂ a-kîiเมื่อกี้
彼はさっき出て行ったばかりです。
phǒmผม
phə̂ng-jàเพิ่งจะ
rə̂əmเริ่ม
rianเรียน
phaa-sǎaภาษา
thaiไทย
khrápครับ
タイ語を習い始めたばかりです。
bɔɔ-rí-sàtบริษัท
phə̂ngเพิ่ง
pə̀ətเปิด
piiปี
thîi-lɛ́ɛoที่แล้ว
会社は去年できたばかりです。
「ばかり」の幅は主観的。1年前でも「ついこの前」と感じれば使える。

เพิ่ง แล้ว は一緒に使わない

เพิ่งphə̂ng はそれ自体が「済んだばかり」を表すので、แล้วlɛ́ɛo を重ねる必要はありません。

phǒmผม
phə̂ngเพิ่ง
kinกิน
khâaoข้าว
lɛ́ɛoแล้ว

食べたばかりです。

phǒmผม
phə̂ngเพิ่ง
kinกิน
khâaoข้าว

食べたばかりです。

なお、間違えやすい語に เพิ่มphə̂əm (増やす)があります。母音の長さが違うだけの別語です。

21-73つの使い分けと、日本語からの逆引き

最後に整理します。まず、3語の中身の違いです。

位置表すこと否定形疑問の作り方
แล้ว文末済んでいる(完了)ยังไม่ได้แล้วหรือยัง
ได้動詞の前実際に起きた(事実)ไม่ได้ใช่ไหม
เคย動詞の前経験があるไม่เคยเคยไหม
เพิ่ง動詞の前直後であるเพิ่งเหรอ

次に、日本語の「〜した」から引く表です。迷ったらここに戻ってください。

日本語タイ語中身
昨日食べたกินเมื่อวาน標識は不要。時の語だけ
もう食べたกินแล้ว完了
食べたことがあるเคยกิน経験
食べたばかりだเพิ่งกิน直後
(確かに)食べましたได้กิน事実の確認(改まった場面)
食べなかったไม่ได้กิน事実の否定
まだ食べていないยังไม่ได้กิน未完了
食べたことがないไม่เคยกิน経験の否定
もう食べないไม่กินแล้ว意志の変化(過去ではない)
食べられるกินได้可能(第25章)

会話1 月曜の朝、給湯室で

sǎoเสาร์
aa-thítอาทิตย์
thîi-lɛ́ɛoที่แล้ว
khunคุณ
kheenเคน
paiไป
nǎiไหน
maaมา
kháคะ

先週末はどこへ行ってきたんですか。

phǒmผม
paiไป
à-yút-thá-yaaอยุธยา
khrápครับ
phə̂ngเพิ่ง
paiไป
khrángครั้ง
rɛ̂ɛkแรก
khrápครับ

アユタヤへ行きました。初めて行ったところです。

khəəiเคย
paiไป
wátวัด
mǎiไหม
kháคะ

お寺には行きましたか(行ったことはありますか)。

khəəiเคย
khrápครับ
tɛ̀ɛแต่
yangยัง
mâi-dâaiไม่ได้
paiไป
thúkทุก
thîiที่
khrápครับ

はい。でもまだ全部は回れていません。

lɔ̂ngล่อง
rɯaเรือ
lɛ́ɛoแล้ว
rɯ̌ ɯ-yangหรือยัง
kháคะ

船には乗りましたか。

yangยัง
khrápครับ
phǒmผม
mâi-khəəiไม่เคย
lɔ̂ngล่อง
rɯaเรือ
ləəiเลย
khrápครับ

まだです。船には一度も乗ったことがありません。

ngánงั้น
aa-thítอาทิตย์
nâaหน้า
paiไป
dûai-kanด้วยกัน
mǎiไหม
kháคะ

では来週、一緒に行きませんか。

diiดี
ləəiเลย
khrápครับ
phǒmผม
jɔɔngจอง
tǔaตั๋ว
wáiไว้
hâiให้
นะ
khrápครับ

いいですね。チケットを取っておきますね。ไปไหนมา ── 帰ってきた人への定型

会話の1行目に出た ไปไหนมาpai nǎi maa は、直訳すると〔行く どこ 来る〕。「どこへ行って(帰って)きたのか」という、過去の行動を尋ねる決まり文句です。文末の มาmaa が「行って戻ってきた」ことを示しています。タイでは、廊下ですれ違ったときの軽いあいさつとしても使われます。日本語の「どちらへ?」に近く、本気で行き先を知りたいわけではありません。ไปธุระครับpai thú-rá khráp (用事です)程度で十分です。この มาmaa の用法は第28章で扱います。

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