未来を表す จะ
第3部 ・ 第22章
จะ jà を正しい位置に置いて予定・意志を述べられる。คงจะ khong-jà ・อาจจะ àat-jà ・น่าจะ nâa-jà を確信度で使い分け、来週の予定をタイ語で説明できる。
前章では「もう起きたこと」を扱いました。今度は「これから起きること」です。ここで登場する จะjà (ヂャ) は、タイ語の入門書でたいてい「未来を表す助詞」と紹介されます。それは半分だけ正しい説明です。จะjà の正体は話し手の見通しと意志であり、時間そのものではありません。そこを押さえると、いつ付けていつ付けないかが一気に見えてきます。
この章のゴール:จะjà を正しい位置に置いて予定・意志を述べられる。คงจะkhong-jà ・อาจจะàat-jà ・น่าจะnâa-jà を確信度で使い分け、来週の予定をタイ語で説明できる。
22-1จะ は未来形ではない
จะjà は動詞の直前に置きます。位置は否定の ไม่mâi と同じ席の並びで、จะjà のほうが前に立ちます(第15章)。
| 主語 | + | จะ | + | 動詞 | + | 目的語 | + | 時 |
意志・見通し
จะ は動詞の直前に固定。主語の前にも文末にも置けない。
さて、この จะjà を英語の will だと思うと、必ずどこかでつまずきます。英語の will と be going to は、どちらも「未来という時」を表す文法形式です。しかしタイ語の จะjà は時を指定していません。指定しているのは、話し手がその出来事をまだ実現していないものとして見ているという一点だけです。その証拠に、จะjà は過去の話の中にも現れます。
จะjà の感覚は、日本語の「〜する(つもりだ)」「〜だろう」に近いものです。日本語でも「明日行く」「明日行くつもり
だ」「明日行くだろう」はどれも未来を表しますが、話し手の関与の度合いが違います。タイ語の จะjà は、この3つをまとめて引き受ける語です。ですから訳は文脈で決まります。「未来形だから機械的に付ける」ものではないと考えてください。
22-2จะ の3つの使い方 ── 意志・予定・推量
จะjà が担う意味は、大きく3つに分かれます。どれも「まだ実現していない」という共通点を持っています。
① 意志 ──「〜します」「〜するつもりです」
② 予定 ──「〜することになっている」
③ 推量 ──「〜だろう」
日本語の「行こう」に当たる勧誘は จะjà ではなく、文末の กันเถอะkan-thə̀ や ไหมmǎi で作ります(第27章)。
行きましょう。
一緒に行きませんか。
ผมจะไปphǒm jà pai はあくまで「私は行きます」という自分ひとりの宣言です。
22-3จะ を省いてよいとき、省けないとき
タイ語の未来表現でいちばん日本人が驚くのは、未来なのに จะjà が付いていない文がふつうにあることです。前章までの原則を思い出してください。タイ語は「必要な情報だけを足す」言語です。すでにわかっていることは足しません。
が省かれやすい場面
- 時を表す語がある ── พรุ่งนี้phrûng-níi があれば未来は明らか。
- 予定表を読み上げるような場面 ── 時刻表・スケジュールの説明。
- 直前の文脈で未来だとわかっている ── 返事や続きの文。
- 条件節(ถ้าthâa の中) ── 条件のほうには付けない。
逆に、時の語がない文で未来を伝えたいときは จะjà が必要です。付けなければ、聞き手はいつの話かわかりません。
⚠ จะ を付けすぎると不自然になる
英語の癖で、未来のたびに จะjà を入れたくなります。しかし予定を並べて説明する場面で毎回付けると、「そのつもりだ」を連呼しているようで、くどく響きます。
✗ 明日は6時に起きて、会社に行って、会議をします。
✓ 明日は6時に起きて、それから会社に行って、会議をします。
最初の1回だけ jà。あとは lɛ́ɛo kɔ̂ɔ(それから)でつなぐ。
22-4確信度の階梯 ── คงจะ から อาจจะ まで
จะjà の前に語を足すと、話し手がどれくらい確信しているかを表せます。日本語の「きっと/たぶん/〜かもしれない」
に当たる部分です。ビジネスでは、この段階を使い分けられるかどうかで信頼度が変わります。
| タイ語 | 発音 | 確信度 | 訳 |
|---|---|---|---|
| ต้อง…แน่ | tɔ̂ ng … nɛ̂ ɛ | ほぼ確実 | きっと〜だ・〜に決まっている |
| …แน่นอน | nɛ̂ ɛ-nɔɔn | 確実 | 必ず〜します |
| น่าจะ | nâa-jà | 高い | 〜のはずだ・〜だと思う |
| คงจะ | khong-jà | 中くらい | 〜だろう・おそらく〜 |
| อาจจะ | àat-jà | 低い | 〜かもしれない |
| ไม่น่าจะ | mâi nâa-jà | 低い(否定側) | 〜ないはずだ |
| คงจะไม่ | khong-jà mâi | 低い(否定側) | おそらく〜ないだろう |
まだ決まっていないことを断定すると、後で食い違ったときに信用を失います。タイ人ビジネスパーソンは น่าจะnâa-jà ・
คงจะkhong-jà を非常によく使います。
仕事は金曜には終わるはずです。
一方、こちらが確約すべき場面では แน่นอนnɛ̂ɛ-nɔɔn をはっきり付けます。曖昧にする場面と、確約する場面を意識的に切り替える。これがタイでの信頼構築の要点です。
22-5「まさに〜しようとしている」── กำลังจะ・ใกล้จะ
未来の中でも「すぐ目の前に迫っている」ことは、จะjà の前にもう1語足して表します。
| タイ語 | 発音 | 意味 |
|---|---|---|
| กำลังจะ | kam-lang jà | まさに〜しようとしている |
| ใกล้จะ | klâi-jà | もうすぐ〜する |
| เกือบจะ | kɯ̀ap-jà | あやうく〜するところだった |
⚠ กำลัง と กำลังจะ は別物
กำลังkam-lang だけなら「〜している最中」(第23章)、กำลังจะkam-lang jà なら「これから〜するところ」です。จะjà が1つ入るだけで、進行中か直前かが逆転します。
彼は食事中です。
彼はこれから食事をするところです。
22-6否定と条件 ── จะไม่・ไม่ได้จะ・ถ้า…จะ…
จะไม่ ──「〜しないつもりだ」
否定するときは จะjà の後ろに ไม่mâi を置きます。順序は固定です。
ไม่ได้จะ ──「〜するつもりではない」
もうひとつ、よく似た形に ไม่ได้จะmâi-dâai jà があります。これは「そういうつもりだったわけではない」と意図そのものを否定する言い方で、誤解を解く場面の必需品です。
| 形 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| จะไม่ไป | 行かないつもりだ | これからの行動を宣言する |
| ไม่ได้จะไป | 行くつもりではなかった | 相手の思い込みを訂正する |
条件節の จะ
ถ้าthâa(もし)を使った条件文では、条件のほうには จะjà を付けず、結果のほうに付けます。日本語で「もし雨が
降ったら、私は行かないつもりです」と言うときの構造と同じです。
| ถ้า | + | 条件(じゃ を付けない) | → | 主語 | + | จะ | + | 結果の動詞 |
もし
ถ้า 節には จะ を入れない。結果の節に入れる。
条件文には ก็kɔ̂ɔ を添えて ถ้า…ก็จะ… thâa … kɔ̂ɔ jà … とする形もよく使われます。詳しくは第41章で扱います。
22-7予定を伝える ── ไว้・เดี๋ยว とビジネス表現
ไว้ ──「〜しておく」
ไว้wái は動詞の後ろに置き、「後で役に立つように、あらかじめ〜しておく」ことを表します。日本語の「〜てお
く」にほぼ一対一で対応する、ありがたい語です。
เดี๋ยว ──「あとで・すぐに」
เดี๋ยวdǐao は文頭に置いて、「ちょっとあとで〜します」を表します。会話でとてもよく使われ、これがあると จะjà は省かれることも多くなります。
次の型を丸ごと覚えておくと、翌日の動きをひとことで伝えられます。
明日、顧客のところへ伺います。
本日中にメールをお送りします。
改めてご連絡いたします。
会議を来週に延期していただけますか。
会話1 来週の予定を打ち合わせる
| 課長 | アーティットナークンケーンワーンワンナイクラップ |
来週、ケンさんはどの日が空いていますか。
火曜と水曜が空いています。月曜は空港へ行きます。
では火曜の午後、一緒に顧客を訪ねましょう。
はい。書類を用意しておきます。
顧客は価格のことを聞いてくるかもしれません。
わかりました。あとで価格表を先にお送りします。
いいですね。この案件は今月中に片づくはずです。
承知しました。必ず仕上げます。
タイでは曜日ごとに色が決まっています。日曜は赤、月曜は黄、火曜は桃、水曜は緑、木曜は橙、金曜は青、土曜は紫。これは曜日を司る神の色に由来します。国王が月曜生まれだったことから、かつては月曜に黄色いシャツを着る人が多く見られました。自分の生まれた曜日を知っていると話が弾みます。คุณเกิดวันอะไรครับkhun kə̀ət wan à-rai khráp (何曜日生まれですか)は、タイでは自然な質問です。