「〜です」 เป็น・คือ・อยู่
第2部 ・ 第14章
เป็น pen (ペン)・คือ khɯɯ (クー)・อยู่ yùu (ユー) を場面に応じて選べる。形容詞述語に「です」を付けない、という感覚が身につく。
日本語の「です」は万能です。「私は教師です」「これは私の本です」「家は東京です」──どれも「です」ひとつで済みます。ところがタイ語では、この3つはそれぞれ別の語を使います。しかも「美しいです」に至っては、「です」に当たる語をまったく使いません。この章で、その仕分けを身につけます。
この章のゴール:เป็นpen (ペン)・คือkhɯɯ (クー)・อยู่yùu (ユー) を場面に応じて選べる。形容詞述語に「です」を付けない、という感覚が身につく。
14-1「です」にあたる語が3つある
まず全体像を押さえましょう。日本語の「です」がカバーする範囲を、タイ語は3つ+1つ(=何も使わない)に分けています。
| 日本語 | タイ語 | 役割 |
|---|---|---|
| 私は教師です | เป็น | 身分・職業・属性を言う(後ろは名詞) |
| これは私の本です | คือ | 定義・同定・言い換え(A=B) |
| 家は🇯🇵東京です | อยู่ | 所在・存在(どこにあるか) |
| この料理はおいしいです | (なし) | 形容詞は単独で述語になる |
日本語の「です」は、意味を持たず文を丁寧に閉じるだけの語です。だから何にでも付きます。一方タイ語の เป็นpenや คือkhɯɯ は意味を持つ動詞です。「〜という属性を持つ」「〜と等しい」という中身がある。だから中身に合わせて選ばなければなりません。そして丁寧さは ครับkhráp / ค่ะkhâ が別に担当します。「意味」と「丁寧さ」が別々の語に分かれている、と考えると整理できます。
14-2เป็น ── 身分・属性を言う
เป็นpen は、主語がどんな種類のものかを言う語です。職業・身分・国籍・立場・血縁・病気。後ろには必ず名詞が
来ます。
| 主語 | + | เป็น | + | 名詞 |
「主語は〈名詞〉という種類のものだ」。後ろが名詞であることが絶対条件。
病気にも เป็นpen を使います。日本語の「風邪をひく」に当たる動詞はなく、「風邪である」と言うのです。
เป็น の後ろは必ず名詞
迷ったら「เป็นpen の直後に名詞を置けるか」を確かめてください。置けなければ เป็นpen は使いません。「彼は忙しいです」の「忙しい」は形容詞なので เป็นpen は不要。「彼は課長です」の「課長」は名詞なので
เป็นpen が要る。この判定だけで9割は正しく使い分けられます。
14-3คือ ── 「AとはBのことだ」
คือkhɯɯ はイコールの語です。AとBが同じものを指していることを示します。定義したり、言い換えたり、「どれ
のことか」を特定したりするときに使います。
| A | + | คือ | + | B | ⇒ | A = B |
「AとはBのことだ」。AとBは入れ替えても文が成り立つ。
14-4เป็น と คือ ── 交替できるとき、できないとき
この2つは似て見えますが、本質が違います。เป็นpen は「Aは〈B〉という集合に属する」、คือkhɯɯ は「Aと B は同一物である」です。
⚠ 職業・国籍に คือ は使わない
「私は日本人です」を คือkhɯɯ で言うと、「私という存在=日本人という概念」という奇妙な等式になります。
✗ 私は日本人です。
✓ 私は日本人です。
逆に「これは私の本です」を เป็นpen で言うのも不自然です。「これ」は「私の本という種類のもの」ではなく、まさに「私の本そのもの」だからです。
ただし、どちらでも通じる場面もあります。主語が「これ・それ」のような指示語で、後ろが種類を表す名詞のときです。
と の見分け方
- 後ろが職業・身分・国籍・立場・病気なら เป็นpen。
- 「〜とは…のことだ」「〜こそが…だ」と言い換えられるなら คือkhɯɯ。
- AとBを入れ替えても成り立つなら คือkhɯɯ。成り立たないなら เป็นpen。
- 迷ったら เป็นpen。日常会話で圧倒的に多いのは เป็นpen のほうです。
14-5อยู่ ── どこにあるか
อยู่yùuは「ある・いる」。人や物の所在を言います。日本語の「家は東京です」のような文は、タイ語では必ず อยู่yùu を使います。
อยู่ と อยู่ที่
ที่thîi は「〜で・〜に」という場所の前置詞です。อยู่yùu の後ろに地名や施設名などの名詞が来るときは ที่thîi を入れるのが基本ですが、省略も広く行われます。
| 形 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| อยู่ที่ + 名詞 | 丁寧・書きことば寄り。どんな場所名にも使える | อยู่ที่กรุงเทพ |
| อยู่ + 名詞 | 会話では ที่ を省くことが多い | อยู่กรุงเทพ |
| อยู่ + 位置語 | ใน・บน・ใกล้ など位置を表す語の前では ที่ は付けない | อยู่ในห้อง |
| อยู่ (単独) | 「(その場に)いる」。不在の否定形が特によく使われる | เขาไม่อยู่ |
💼プーヂャットカーンマイユークラップ
部長は不在です。
取次ぎのやりとりは、この形をそのまま使います。
章)。
มี と อยู่ ── 「ある」の2種類
มีmii も「ある」と訳されますが、役割が違います。มีmii は存在すること自体を新しい情報として述べ、อยู่yùu はすでに話題になっているものの居場所を述べます。日本語の「〜が ある」と「〜は ある」の違いに近いと
考えてください。
| 場所 | + | มี | + | もの | / | もの | + | อยู่ | + | 場所 |
| 新情報 | 既知 |
มี は「場所→もの」の順、อยู่ は「もの→場所」の順。語順が逆になる。
なお มีmii は「持っている」の意味でも使います。
14-6形容詞に「です」は要らない
ここが日本人学習者の最大の落とし穴です。タイ語の形容詞はそれ自体が述語になれます(詳しくは第16章)。「美しいです」は สวยsǔai の一語で足ります。เป็นpen を付けてはいけません。
英語の be 動詞を経由して考えるからです。“She is beautiful.” の is に当たる語を探してしまう。しかしタイ語の形容詞は、そもそも動詞の一種です。สวยsǔai は「美しい」ではなく「美しくある」という動詞だと
💡思ってください。動詞なのですから、その前にもう一つ動詞 เป็นpen を置く必要はありません。
(ペン)
日本語で「彼女は美しいだ」と言わないのと同じ構造です。
① 「です」の前の語は名詞か 形容詞か。② 形容詞なら → 何も付けない。③ 名詞で、それが場所なら → อยู่yùu。④ 名詞で、それが種類・身分なら → เป็นpen。⑤ 名詞で、「〜とは…のことだ」と言えるなら → คือkhɯɯ。
14-7否定と疑問、そして เป็น のもう一つの顔
否定形
เป็นpen と คือkhɯɯ の否定は、ไม่เป็นmâi pen でも ไม่คือmâi khɯɯ でもありません。専用の語 ไม่ใช่mâi-châi を使います。
| 肯定 | 否定 | 意味 |
|---|---|---|
| เป็น/คือ | ไม่ใช่ | 〜ではない |
| เป็น(病気) | ไม่ได้เป็น | 〜にかかっていない |
| อยู่ | ไม่อยู่ | いない・不在だ |
| อยู่(居住) | ไม่ได้อยู่ | (そこには)住んでいない |
| มี | ไม่มี | ない・持っていない |
疑問形
文末に ไหมmǎi を付ければ疑問文になります(第17章で詳述)。名詞の確認には ใช่ไหมchâi-mǎi(〜ですよね)が便利です。
เป็น のもう一つの顔 ── 「〜できる」
เป็นpen には、動詞の後ろに置いて「習得して、できる」を表す用法があります。技能として身につけているかどう
かを言う語で、第25章で詳しく扱います。ここでは形だけ覚えておきましょう。
💡カオカップロットマイペン
彼は車の運転ができません。2つの เป็น は位置で見分ける
「〜である」の เป็นpen は主語のすぐ後ろ(名詞の前)、「〜できる」の เป็นpen は動詞句の後ろ(文末近く)。位置がまったく違うので、実際に混乱することはありません。
会話1 取引先のオフィスで
| ナム | サワッディーカクンペンコンイープンチャイマイカ |
こんにちは。日本の方ですよね。
| ケン | チャイクラップポムペンパナックンガーンボーリサットクラップ |
そうです。会社員です。
| ナム | ボーリサットコーンクンユーティーナイカ |
会社はどちらにありますか。
| ケン | ユーティートーキアオクラップテートーンニーポムユークルンテープクラップ |
東京にあります。でも今はバンコクにいます。
| ナム | クンプートパーサータイペンマイカ |
タイ語は話せますか。
| ケン | ペンニットノイクラップポムマイチャイナックリアンテーポムリアントゥックワンクラップ |
少し話せます。学生ではありませんが、毎日勉強しています。