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名詞と修飾語

第2部 ・ 第13章

前章までで文の骨格ができました。この章ではその骨格に肉を付けます。タイ語の修飾は、例外なく後置です。この一点さえ守れば、名詞句はいくらでも伸ばせます。さらにタイ語の語彙は、既知の語を組み合わせて作られる割合が非常に高い。組み立て方を知ることが、そのまま語彙の増強になります。

この章のゴール:形容詞・名詞・所有・指示詞を正しい順序で名詞に付けられる。複合名詞と การ-kaan-ความ-khwaam- の作りを理解し、語彙を自分で広げられる。

13-1修飾は必ず後ろ

日本語も英語も、形容詞は名詞の前に来ます(大きい家/a big house)。タイ語は逆で、すべて後ろです。例外はほとんどありません。

名詞修飾語1修飾語2修飾節

核となる名詞が先。説明はすべて右へ伸ばしていく。

形容詞(状態動詞)による修飾

タイ語の形容詞は、第11章で見たとおり単独で述語になれます。名詞の後ろに置けば修飾語、主語の後ろに置けば述語。形が変わらないので、位置だけが両者を分けます

bâanบ้านバーン
yàiใหญ่ヤイ
大きい家/家は大きい
どちらにも読める。文の中での位置で決まる。
phǒmผมポム
yùuอยู่ユー
bâanบ้านバーン
yàiใหญ่ヤイ
私は大きい家に住んでいます。
この位置では「大きい家」という名詞句。
aa-hǎanอาหารアーハーン
à-rɔ̀iอร่อยアロイ
おいしい料理

名詞による修飾

名詞が名詞を修飾する場合も、後ろに置くだけです。前置詞も接続詞も要りません。

aa-hǎanอาหารアーハーン
yîi-pùnญี่ปุ่นイープン
日本料理〔料理 日本〕
khruuครูクルー
phaa-sǎa-thaiภาษาไทยパーサータイ
タイ語の先生

13-2複合名詞 ── タイ語の語彙は組み合わせで増える

名詞+名詞、名詞+動詞、名詞+形容詞。この組み合わせで、タイ語は膨大な語彙を作っています。しかも作り方が透明で、意味が要素から予測できるものが多い。既知の語が増えるほど、新しい語が「読めて」しまいます。

複合語発音成り立ち意味
ห้องน้ำhɔ̂ ng-náam部屋+水トイレ・浴室
ห้องนอนhɔ̂ ng-nɔɔn部屋+寝る寝室
ห้องครัวhɔ̂ ng-khrua部屋+台所キッチン
ห้องประชุมhɔ̂ ng-prà-chum部屋+会議会議室
โรงเรียนroong-rian建屋+学ぶ学校
โรงแรมroong-rɛɛm建屋+泊まるホテル
โรงงานroong-ngaan建屋+仕事工場
รถไฟrót-fai車+火列車
เครื่องบินkhrɯ̂ ang-bin機械+飛ぶ飛行機
สนามบินsà-nǎam-bin広場+飛ぶ空港
น้ำแข็งnám-khɛ̌ng水+硬い
น้ำตาลnám-taan水+砂糖椰子砂糖
ตู้เย็นtûu-yen棚+冷たい冷蔵庫
ร้านอาหารráan-aa-hǎan店+食べ物レストラン
ร้านหนังสือráan-nǎng-sɯ̌ɯ店+本書店
แม่น้ำmɛ̂ ɛ-náam母+水

ここで大事なのは語順の原則が守られていることです。ห้องน้ำhɔ̂ng-náam は〔部屋 水〕で「水の部屋」。核が前、説明が後ろ。日本語の「水の部屋」とは逆の並びです。

hɔ̂ng-náamห้องน้ำホンナーム
yùuอยู่ユー
thîi-nǎiที่ไหนティーナイ
khrápครับクラップ
トイレはどこですか。
phǒmผมポム
paiไปパイ
sà-nǎam-binสนามบินサナームビン
dooiโดยドーイ
rót-faiรถไฟロットファイ
私は列車で空港へ行きます。

13-3所有の ของ と、その省略

持ち主を示すときは ของkhɔ̌ɔng (〜のもの)を使います。並びは〔もの ของ 持ち主〕です。

รถของผม
〜の

〔もの ของ 持ち主〕。日本語「私の車」とは順序が逆。

rótรถロット
khɔ̌ɔngของコーン
phǒmผมポム
私の車
krà-pǎoกระเป๋าクラパオ
khɔ̌ɔngของコーン
khunคุณクン
yùuอยู่ユー
thîi-nǎiที่ไหนティーナイ
khrápครับクラップ
あなたのかばんはどこにありますか。

ただし会話では ของkhɔ̌ɔng はよく省略されます。とくに人称代名詞が持ち主のときは、省略するほうがむしろ普通です。

rótรถロット
phǒmผมポム
私の車
日常会話ではこちらが自然。

13-4数量と指示詞の位置

数える ── 名詞+数詞+類別詞

タイ語でものを数えるときは、日本語の「本を3冊」と同じく専用の語(類別詞

ลักษณนามlák-sà-nà-naam)を使います。順序は名詞+数詞+類別詞です。

หนังสือสามเล่ม
3類別詞

日本語「3冊の本」とも「本3冊」とも語順が違う。名詞が先頭。

nǎng-sɯ̌ ɯหนังสือナンスー
sǎamสามサーム
lêmเล่มレム
本3冊
khonคนコン
yîi-pùnญี่ปุ่นイープン
sɔ̌ɔngสองソーン
khonคนコン
日本人2人

類別詞は語ごとに決まっており、数も多いのですが、詳しくは第19章で扱います。ここでは位置だけ覚えてください。

指示する ── 名詞+(類別詞)+นี้níi (ニー)/นั้นnán (ナン)

「この本」「その車」のような指示も後置です。丁寧には類別詞を挟みますが、会話では省略されることも多くあります。

nǎng-sɯ̌ ɯหนังสือナンスー
lêmเล่มレム
níiนี้ニー
この本〔本 冊 この〕
nǎng-sɯ̌ ɯหนังสือナンスー
níiนี้ニー
この本
類別詞を省いた形。会話ではこちらもよく使う。
rótรถロット
khanคันカン
nánนั้นナン
phɛɛngแพงペーン
mâakมากマーク
あの車はとても高いです。

修飾語が重なるときの順序

複数の修飾語が付くときは、名詞に密着している度合いが高いものから並べます。おおよその優先順位は次のとおりです。

修飾語を並べる順序

nǎng-sɯ̌ ɯหนังสือナンスー
phaa-sǎa-thaiภาษาไทยパーサータイ
lêmเล่มレム
níiนี้ニー
このタイ語の本〔本 タイ語 冊 この〕
rótรถロット
màiใหม่マイ
khɔ̌ɔngของコーン
phǒmผมポム
私の新しい車〔車 新しい の 私〕
sɯ̂ aเสื้อスア
sǐi-dɛɛngสีแดงシーデーン
sɔ̌ɔngสองソーン
tuaตัวトゥア
níiนี้ニー
この赤い服2着

13-5名詞化 ── การ- と ความ-

タイ語には数少ない接頭辞があります。動詞や形容詞の前に付けて名詞を作るもので、抽象的な語彙を扱うために不可欠です。ここは後置修飾の原則の数少ない例外なので、しっかり区別しましょう。

使い分けの原則

発音もとの語意味
การเรียนkaan-rianเรียน 学ぶ学習
発音もとの語意味
การทำงานkaan-tham-ngaanทำงาน 働く仕事をすること・労働
การเดินทางkaan-dəən-thaangเดินทาง 旅する旅行・移動
การประชุมkaan-prà-chumประชุม 会議する会議(という行為)
การขายkaan-khǎaiขาย 売る販売
การศึกษาkaan-sɯ̀k-sǎaศึกษา 学ぶ教育
ความรักkhwaam-rákรัก 愛する
ความสุขkhwaam-sùkสุข 幸せな幸福
ความคิดkhwaam-khítคิด 考える考え・思想
ความรู้khwaam-rúuรู้ 知る知識
ความปลอดภัยkhwaam-plɔ̀ɔt-phaiปลอดภัย 安全な安全
ความสำคัญkhwaam-sǎm-khanสำคัญ 重要な重要性
kaan-rianการเรียนカーンリアン
phaa-sǎa-thaiภาษาไทยパーサータイ
sà-nùkสนุกサヌック
mâakมากマーク
タイ語の学習はとても楽しいです。
khwaam-plɔ̀ɔt-phaiความปลอดภัยクワームプロートパイ
sǎm-khanสำคัญサムカン
mâakมากマーク
khrápครับクラップ
安全はとても重要です。

13-6人を表す接頭辞と、関係節への入り口

ผู้-phûu-นัก-nák-ช่าง-châang-คน-khon-

人を表す語も、接頭辞で体系的に作られます。それぞれニュアンスが違います。

接頭辞ニュアンス意味
ผู้-その役割を担う人(やや硬い)ผู้จัดการ管理者・部長
นัก-それを職業・専門にする人นักธุรกิจビジネスパーソン
นัก-นักเรียน / นักศึกษา生徒/大学生
นัก-นักท่องเที่ยว旅行者
ช่าง-技能を持つ職人ช่างภาพカメラマン
ช่าง-ช่างตัดผม理髪師
คน-単に「〜する人」(口語的)คนขับรถ運転手
khǎoเขาカオ
penเป็นペン
nák-thú-rá-kìtนักธุรกิจナックトゥラキット
yîi-pùnญี่ปุ่นイープン
khrápครับクラップ
彼は日本人のビジネスパーソンです。

ที่thîi (ティー) による関係節 ── 修飾の最終形

修飾語が一語では足りないとき、つまり「私が昨日買った本」のように文で名詞を説明したいときは、名詞のあとに ที่thîiを置いて、そのまま文を続けます。英語の関係代名詞 that に相当しますが、タイ語のほうがずっと単純です。格による使い分けがなく、いつも ที่thîi ひとつだからです。

หนังสือที่ผมซื้อเมื่อวาน
〜する

〔本 ── 私 買う 昨日〕= 私が昨日買った本。

nǎng-sɯ̌ ɯหนังสือナンスー
thîiที่ティー
phǒmผมポム
sɯ́ ɯซื้อスー
mɯ̂ a-waanเมื่อวานムアワーン
私が昨日買った本
khonคนコン
thîiที่ティー
phûutพูดプート
phaa-sǎa-thaiภาษาไทยパーサータイ
dâaiได้ダーイ
タイ語が話せる人

詳しい使い方と、ที่thîi を省略できる条件は第36章で扱います。ここでは「名詞のあとに ที่thîi +文」という形を見て意味が取れれば十分です。

会話1 オフィスの引っ越し

khunคุณ
náamน้ำ
khrápครับ
hɔ̂ng-prà-chumห้องประชุม
màiใหม่
yùuอยู่
thîi-nǎiที่ไหน
khrápครับ
ケンクンナームクラップホンプラチュムマイユーティーナイクラップ

ナームさん、新しい会議室はどこですか。

yùuอยู่
khâangข้าง
hɔ̂ng-náamห้องน้ำ
khâค่ะ
hɔ̂ngห้อง
yàiใหญ่
thîiที่
miiมี
โต๊ะ
yaaoยาว
khâค่ะ

ナームユーカーンホンナームカホンヤイティーミートヤーオカ

トイレの隣です。長い机がある大きい部屋です。

èek-kà-sǎanเอกสาร
khɔ̌ɔngของ
lûuk-kháaลูกค้า
yùuอยู่
thîi-nǎiที่ไหน
khrápครับ
ケンエーカサーンコーンルーッカーユーティーナイクラップ

顧客の書類はどこにありますか。

yùuอยู่
naiใน
tûuตู้
sǐi-dɛɛngสีแดง
sɔ̌ɔngสอง
baiใบ
nánนั้น
khâค่ะ

ナームユーナイトゥーシーデーンソーンバイナンカ

あの赤い棚2つの中です。

〔棚 赤い 2 つ あの〕── 形容詞・数量・指示の順序に注目。

khɔ̀ɔp-khunขอบคุณ
mâakมาก
khrápครับ

💼ケン

コープクンマーククラップ

どうもありがとうございます。

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